3月は春闘の回答日でした。
春闘とは
毎年2月頃になるとニュースを賑わす「春闘」。連合では「春季生活闘争」を正式名称としています。
多くの企業にとって新年度となる4月に向けて、労働組合が労働条件について要求し、使用者(経営者)と交渉し決定することをいいます。
大手企業を中心に、労働組合が企業に要求を提出するのが2月、企業からの回答が3月頃であることから、「春闘」と呼ばれているのです。
日本労働組合総連合会 コラム https://www.jtuc-rengo.or.jp/column/column013.html
春闘では主に賃金のベースアップ、定期昇給、ボーナスなどが決まります。
定期昇給とは
定期昇給とは、基本給を増額させることで、年に1回行われるのが普通です。
いわゆる「年功賃金」というやつですね。
今回はJR各社2021年の定期昇給について調べてみました。
JR各社2021年の定期昇給
会社名 | 平均定期昇給額 | 備考 |
JR北海道 | 例年同様の定期昇給 5,679円 | 55歳以下の社員に25,000円支給 |
JR東日本 | 3,200円 | 例年と比べ50%カット |
JR東海 | 例年同様の定期昇給 昇給額は不明 | 夏ボーナスは2.2か月分 |
JR西日本 | 例年同様の定期昇給 昇給額は不明 | 夏ボーナスは1.3か月分 |
JR四国 | 例年同様の定期昇給 昇給額は不明 | |
JR九州 | 例年同様の定期昇給 昇給額は不明 | |
JR貨物 | 例年同様の定期昇給 4,408円 |
定期昇給額が不明の会社が多いですが、JR東日本を除いて例年同様に実施されます。
コロナ禍で大打撃の鉄道業界なのに意外に思われるかもしれません。
後述しますが、鉄道会社における定期昇給は重要です。
JR東日本だけ昇給50%カット
JR東日本は定期昇給を例年の50%とすることを決めました。
定期昇給が減ると退職金を含めた生涯賃金も減少することになり、若手社員ほどその影響が大きくなります。
比較的経営体力のあるJR東日本だけが定期昇給を一部カットした衝撃は大きいです。
これはコロナ禍だけが原因ではないと思います。今後年功賃金を見直していく可能性も否定できません。
また、2018年以降、会社は労働組合対策を強め、急速に労働組合組織率が低下しています。
労働者側の交渉力が低下していることも原因としてあげられるでしょう。
鉄道会社の賃金は定期昇給とボーナスが命
鉄道会社の基本給はどこも低めです。超勤をはじめ職務や夜勤などの手当、ボーナスがあって初めて生活が成り立つ賃金という構造です。
採用時の基本給は特に低く、定期昇給により将来的に上がっていくことが前提の賃金体系です。
鉄道会社に入社する新卒のみなさんも当然それを期待しているのではないでしょうか。
今後は基本給すら上がっていかないことも想定していかねばなりません。
今後行われる夏のボーナス交渉も気になるところです。
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