JR東日本が7月から、社員約4万9000人を対象にグループ会社での副業を認めることが2日、分かった。多様な経験を通じて社員の成長を促すのが狙い。新型コロナウイルスが流行する中、働き方改革の一環として副業を容認する企業は増えており、鉄道業界でも今後導入が広がる可能性がある。
日刊スポーツ 2021/6/2 https://www.nikkansports.com/general/news/202106020000866.html
ネット界隈ではほとんどニュースになっていませんが、日刊スポーツが報じています。
会社はすでに各労働組合に説明を行っているようです。労組のホームページに概要が示されています。
副業を認める会社が増えていますが、いよいよ鉄道業界にも波及してきました。
現状分かる範囲内で考察していきます。
副業をきっかけに合理化・企業再編の可能性あり
副業はグループ会社に限り可能で、現在は飲食店での接客やイベントのポスター作成、データ入力などの募集があるそうです。
グループ会社外は本業に支障をきたすということで認めらません。
グループ会社外であっても、自宅近くでアルバイトするなり、ネット上の在宅ワークを請け負うなどしたほうが負担は減らせることもあるでしょう。
グループ会社にこだわる別の理由が考えられます。
将来、グループ会社への出向、転籍、分社化をしやすくするために、あらかじめ社員交流を行っておく。
副業が気がついたら本業に。今回の副業容認はその下地作りではないかと思うのです。
副業の時間は自己申告
副業で懸念されることのひとつに、本業と合わせた労働時間の管理があります。
今回認められる副業の時間は、本業での残業時間と合わせて月60時間以内です。
そして、副業における労働時間は自己申告により管理するというのです。
自己申告では正確に管理できると思えません。上限を超えてしまったらどうするのでしょうか。
副業先をグループ会社に限定しているのですから、労働時間は会社間で共有できないものでしょうか。
賃金減少時代を見据えた副業
今回の副業容認、JR東日本は賃金減少の補填が目的ではないと言っています。
果たしてそうでしょうか。
2021年3月期は5000億円を超える赤字決算で、今期は黒字化を見込んでいますが、いずれにしてもボーナスを含めて現行水準の賃金を維持するのは困難が予想されます。
鉄道会社は総賃金に占めるボーナスの割合が大きいです。
ボーナスは業績悪化で簡単に下がります。ゼロもありえます。
ボーナス減る分副業で稼いでね、という見方が自然でしょう。
副業でポータブルスキルを磨くチャンス
以上、いろいろと欠点ばかり挙げてきましたが、いい話もあります。
JR東日本が表向きの目的としている
「多様な経験を通じて社員の成長を促す」
ことができることです。
鉄道会社で現場の仕事をしていると、鉄道業でしか使えないスキルしか身につきません。
副業で現場仕事以外をすることで鉄道業以外で使えるスキル、ポータブルスキルを身につけるチャンスでもあります。
いつ何時リストラされるか分からない時代です。少しでも他分野の仕事を経験しておくことは将来役に立つかもしれません。
特にIT系の仕事なら、単価が低くても勉強と思ってやる価値はあると思います。
体力ある若い社員や、意識の高い社員なら積極的に乗り出すかもしれません。
アーリーリタイア目指すなら、私も勉強しないと!
コメント
副業というより体のいい配置転換という感じか
自分で配置先を選べるからましか
副業でなれさせてから配置転換という可能性はありそうです。